借金で相談されてる方の中で一番多いのがギャンブルです。
競馬、競艇、競輪、パチンコなどそれぞれまんべんなく多いのですが、一番多いのは競馬です。
わざわざここでいうこともないのですが、ギャンブルで勝つというのはほぼないといって言いでしょう。
そもそも仕組みとして絶対に勝てないようになっているからです。
目次
胴元がどれだけ儲けているかを考えればわかることです。
例えばなぜパチンコ屋は日本全国に膨大な数があるのか。
またなぜ外装があんなに豪華なのか。
また競馬場もなぜあれだけの広大な施設を建設、維持できるのでしょうか。
なぜあれほどテレビCMを出せるのでしょうか。
それらは全部賭ける側の負けたお金から出ているということは少し考えればわかります。
今度こそ勝つとか、負け分を取り戻すまでやるとか熱くなっていると子供でもわかりそうな当たり前とが見えなくなってしまう。
ギャンブルは精神的に余裕があるときのほうが勝てる。
「ビギナーズラック」という言葉があるように、初心者は何もわからない状態だから熱くなることもない。
常に欲なしで冷静な判断ができるから勝つのだ。
この欲が出すぎてしまうと負けてしまう。パチンコやパチスロで大勝ちして、その味が忘れられず次の日もいって結局全部スッてしまったという経験はないでしょうか。
また、勝っているのに欲が出て熱くなってしまい、帰るころにはスカッラカンという経験もないでしょうか。
まずは頭を冷静にすること。
そうすれば負ける確率はグンと少なくなります。
知り合いの不動産の社長さんもめちゃくちゃギャンブルが好きで特に競馬をよくやるそうですが、会社をおこしてから負けなくなったといっています。
本業で稼げているから、こころに余裕があるのでしょう。
余裕があれば冷静になれる。
冷静になれば負けていても引き際がわかる。これがギャンブルで勝つことだと思う。
本業の稼ぎ以上にギャンブルにつぎこむのは絶対にやめたほうがよいでしょう。
ギャンブルで借金相談される人は,やはり男の人が多いです。
抱えている借金額は大体500万前後で複数の消費者金融から借りています。
なぜそこまで借金が膨らんだのでしょうか。
最初のきっかけとして大体みんながいうのが、自分からではなく、上司や同僚に誘われてギャンブルに連れて行かれたと。
「つき合い」だったといいます。
でも最初のうちは勝つ。
そこで味をしめて通い始めるのですが、3ヶ月目くらいから負け始め、そこからはずっと負け続けます。
最初のうちは給料とボーナスで負けた分は払えますが、負けてから5ヶ月目ぐらいになると苦しくなります。そこから消費者金融などから借り入れが始まります。
この「最初に勝つ」という経験がクセモノで、最初に負けた人は、もうこりごりだと思って入ってハマリません。
これはヤクザが素人を博打に引き込む手口と同じです。
麻雀や賭博などで最初は素人わざと勝たせて味をしめさせ、通わせて徐々にお金を巻きあげるというパターンです。
いろんな人の借金の話を聞いてると、最初の成功体験がどうしても忘れられないからやめることができないという方が非常に多いです。
そのうち借り入れが一緒では足りなくなり、2社目の消費者金融から借金することになります。
こういう人はたいてい2社目の借金をまだギャンブルに使いながらも、たまに勝った分を1社目の返済に回す。当然の借金は利息しか払われない。
そうすると1社目の方には信用が生まれていく。
この人はちゃんと借金を返してくれる人だということになり、一社目の借入限度額が膨らむ。
そうなると一社目から借り増ししてさらにギャンブルをし、たまに勝っては今度は2社目の返済に使うようになり、2社目でも信用が大きくなって借りられる額も大きくなる。
消費者金融はお金を貸してくれるので、ギャンブルは続けられるが、当然元金は減らず利息の支払いも辛くなるから、借金はどんどん膨らんでいくだけで当然回らなくなり3社目へ。。
こうやって借金地獄に陥っていきます。
ギャンブルが好きな人は、限界までやってしまいます。
私、借金オヤジもギャンブルが大好きなので、気持ちは痛いほどわかりますがギャンブルは痛くない範囲のお金でやるべきですね^^:
ギャンブルにハマる人の性格としてまず挙げられるのが執着心の強さです。
そして人付き合いがあまり好きではない。
ストレス発散のために誰かと飲みに行ったりしないない内向的な人が多いです。
友達が多ければそこまで1人の時間がないわけです。既婚者なら家庭がうまくいっていない人。
奥さんと仲が良くないから家の中にいづらく、休みの日もずっとギャンブル場で時間を使ってしまうみたいなケースです。
ギャンブルは時間を使えば使うほど負けてしまうので、負ける額もどんどん大きくなります。
経済的にはまずまずの中堅会社に勤めていて中流層が多いです。
そもそも貧困層の場合は500万円もの金を貸してくれません。
まとめると、収入的には中程度で居場所が家にも会社にもいないような人が多いのが特徴です。
通常、自己破産なり民事再生なりの手続きをすると、その人はもう弁護士に相談して消費者金融との間に入ってもらっているのだから自分も立ち直るなきゃと思い、借金の元となっていることをやめます。
しかしギャンブルで相談に来た人は違います。
頭ではギャンブルは止めなきゃいけないと思っていても、気が付いたらパチンコ店や競馬場に来ている。
まるでガが蛍光灯に引きつけられるようにギャンブル場へと足を運んでしまいます。
どうしても消せないほどの強い欲望の奴隷になってしまいます。
ギャンブルは一旦ハマるとやめられない人がとても多いです。
実は破産の場合は裁判所に申請する際に資料として相談者の銀行通帳を添付しないといけないのですが、通帳を見ると JRAなどギャンブル系の引き落としが続いていたりします。
ギャンブルはほどほどに仕なければなりませんね。
ギャンブルにはまってしまうというのは、ぶっちゃけた話病気の一種です。
実際、精神科やカウンセラーの診断書を取った人もたくさんいます。
実話なのですが、裁判所に相談者が依存症であるという証拠を提出しなければ破産を認められないケースも多いため、相談者にカウンセリングを受けさせてその診断書を裁判所に提出します。
病気だという証明に加え、反省して治そうとしているという証拠にもなり、破産審査が通りやすくなるのです。
きれいごとをいうのはあまり好きではないのですが、そのためにもこういう人はまず自分がギャンブル依存症という病気にかかっていると自覚することが大事で、病院やクリニックに行って治したほうがいいかもしれません。
根本的に治療しないと、せっかく債務整理で借金がゼロになってもまた同じ事の繰り返しになってしまいます。
一度自己破産してしまうともうサラ金は貸してくれないから闇金から借りるようになり、返せなくて追い立てられて一家離散などさらに悲惨な人生になってしまいます。
数は少ないですが、実際にそうなってから相談される方もおられるようです。
中にはいくら頑張っても救いようのない人はいます。
例えば嘘をつく人。
電話をした時、明らかに後でパチンコの音がしているのに「すみません。ちょっと会議中で電話できないんですよ」と嘘をつく。
こういう人間を家族に対しても「俺はもうギャンブルをやめたよ」などと嘘をつきます。
ささいなことから嘘をついてその場を取りつくろって、弁護士にも家族にも嘘をつきつつギャンブルをやり続ける。
こういう人は周りがどんなに頑張ってもどこまでも堕ちていきます。
電話に出るうちはまだいいですが、破産の手続き中に連絡が取れなくなってしまう人だっていっぱいおられます。
ギャンブルが原因でも場合によっては、自己破産することができます。
しかし、認めてくれない場合もあります。ここではその例をご紹介したいと思います。
実際にあったお話です。
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以前あるどうしようもない人が相談に来た。
一流企業に勤めていて年収も1000万円近く稼いでいる30代男性のB氏。
競馬にハマり600万円の借金をかかえた。
借りた元金も利息もすべて返済が免責される自己破産することに決め、金を借りていた複数のサラ金業者に対し、自己破産をするための準備交渉を行った。
この時点で普通の人はギャンブルをやめる。
しかしBは違った。
そのあと打ち合わせに来なくなり、やっと連絡がついたのが1年後。
その時に破産申し立てに必要な通帳などを見せてもらったところ、その間ずっと競馬を続けていたのだ。
これはかなりまずいことになったと思った。
というのも、東京地裁は1回の過ちには寛大で、これまでどんなにはまって借金を作っても、もうすっぱりやめて二度とやりませんと誓い、実際にやめて、反省すれば基本的には自己破産を通る。
しかしやめた時期が大きな問題で、通常は破産前でも弁護士に破産の依頼をした時点で反省して辞めるというのが、東京地裁が自己破産を認める時の大きな判断のポイントなのだ。
ところがBは自分がサラ金業者との間に入った後も、破産申し立ての前まで延々と競馬をやり続けたわけだ。
連絡がつかなかったのもおそらくこのせいだろう。
こういう場合は、いくら借金に寛大な東京地裁といえども自己破産を認めてくれない可能性が非常に高い。
破産者の財産を管理して債権者に分配する管財人もこれには激怒して、何が起きても絶対に破産は認めないと言われてしまった。
しかし自分はこう必死にお願いした。
「確かにBは馬鹿なやつでずっと競馬をやり続けたのは事実だけれど、最終的に破産手続きが終わるまでにはまだ何ヶ月かあるからそれを見て判断してください。破産というのは過去はともかく依頼者の今後のためにある手続きだから」と。
管財人も最初は「絶対にダメだ。こんなクズは今回は許しても必ずまた同じ事繰り返す」と譲らなかったので、こちらの本気度を示すためにBを依存症治療のカウンセリングに通わせて毎回反省文のようなレポートを書かせた。
そこにはこれまでの人生を悔やむ言葉や、今まで毎週末競馬場に行っていたが、今は子供と公園に行って一緒に遊んでいることなどが書かれてあった。
自分も子供がいて公園で一緒に遊ぶのが大好きなので,がらにもなくその手紙に泣けてきた。
手続きの途中で地方に転勤になったのだが、東京都違って競馬の情報誌がないから心安らぐと書いてあったのを読んで、今回ばかりはBも本当に変わるかもしれないと思った。
そういったレポートも含め、分厚い上申書を管財人に提出して「本人も反省してカウンセリングに通って今後二度とやらないと思うので今回だけは認めてください」とお願いしたところ、最終的には今回だけは特別の特別でということで破産を認めてもらった。
それから少しして破産の終了書面を郵送するためにBの自宅に電話をかけた。
奥さんが出たのだが、彼女の話を聞いて愕然とした。
Bは免責(チャラ)になったとわかった瞬間にまた競馬を始めたと。。。
管財人のいう通りだった。
もう怒るよりも脱力、無力感しかなかった。
レポートに書いてあった「週末は子供と遊んでいる」という話は今はもうなく、今頃また子供をほったらかしにしてギャンブルにいっているのかと思うと、
本当にやりきれない。
こういう人間には法律や弁護士は無力だ。
法律では助けられることと助けられないこととがある。
このケースを医者に例えると、どんなに頑張って難しい手術に成功して患者の命を救っても、この患者が医者から止められていることをしてしまったら死んでしまうのと一緒だ。
Bも今後は合法的な金融機関を貸してくれないので、闇金に行くしかない。
地獄への第一歩だ。
もちろんこういうこともさんざん説明した。
いくら我々が頑張ってもどうにもならない。当たり前の話だが最終的には本人がヤル気になるしかないのだ。
ギャンブル依存症から立ち直った例もあります。他の法律事務所ではもう破産しかできないと言われた夫婦がいました。
借金の原因は主人のパチンコ。
給料のほぼすべてをパチンコに費やして、サラ金から借金までするようになったため、
奥さんが水商売などでアルバイトをして家計を支えていたのですが、主人のギャンブル癖と借金癖が長かったせいでもう限界に来ました。
その時抱えていた借金は500万円。
何らかの債務整理をするしかなくなったのですが、自己破産をすると自宅に担保をつけた銀行に取られてしまうので、家は取られない個人再生を希望していたのです。
しかしその家庭には住宅ローンの担保と、おまとめローンといって小さいサラ金たちの借金をまとめるローンの担保がついていました。
法律の条文では住宅ローン以外の担保がついている場合は、家を守る個人再生という制度は,使えないと決められています。
なのでその夫婦は、ある法律事務所になんとか個人再生できないかと相談したら「住宅ローン以外に担保があるから破産するしかないでしょう」と言われました。
しかしあきらめきれずほかに方法はないかとインターネットなどで調べていたところ、他の事務所なら個人再生ができる場合があると書いてあったのを見つけて相談に行きました。
個人再生の手続きをするためには、おまとめローンの債権者の人達も、破産ではなくて個人再生という手続きで構わないという了承が必要になります。
その了承を取りつけるための交渉が結構煩雑で大変なのですが、何度も足を運んでおまとめローンの分は必ず満額返済しますからと数字で説明したら最終的には個人再生でいいと了承してもらえたのです。
しかしそれでも安心というわけにはいきません。
東京の場合は、個人再生委員という個人再生の手続きをチェックする弁護士が裁判所から選任されます。
そこでもし融通の利かない個人再生委員に当たってしまうと、法律の条文上、住宅以外の担保があったらダメなんだからダメと却下されてしまうのですが、自分がせっかく個人再生という便利な制度があるのだし、おまとめローンの業者の人も個人再生で構わないと了承してくれているのだからなんとか個人再生でお願いしますと試みました。
するとその時の個人再生委員が幸運なことに柔軟に法律を運用していこうと考えの人だったので、
そういうことなら誰にも迷惑はかからないから個人再生でいきましょうと裁判所とかけあってくれたのです。
そのおかげで最終的には裁判所も個人再生を認可してくれて、500万円あった借金は100万円に圧縮され,家は手放さずに済んだのです。
もちろんご夫婦はかなり喜んでいました。
最初は他の事務所に個人再生なんてできるわけがないと言われたのでほぼあきらめていたし、他の事務所ではできると言われてもやっぱり半信半疑だったようです。
本当に他に依頼してよかったと。
ちなみにこの時のケースは、手続き完了までに要した時間はおまとめローンとの事前交渉で4ヶ月、個人再生の手続きで6ヶ月合計10ヶ月で、裁判費用を含めた弁護士費用の総額が約40万円でした。
もちろん支払いは分割ですがこういったうまくいった例もあります。
アヴァンス法務事務所 代表 姜 正幸
アヴァンス法務事務所は長い間CMでも見かけ、知名度と実績が抜群にある法務事務所です。
アヴァンス法務事務所でたくさんの実績と経験をつみ、独立される専門家も何人かおられるくらい、任意整理のエキスパートです。